山と街をつなげる庭づくり、fanlandscape。

ブログ「やまんちゅのよもやま話」

2017.09.15

ヒガンバナ

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今週末からの3連休は、残念ながら日本列島を台風が縦断しそうですね。
明日から大雨の予報が出ているので、今日から台風に備えて準備しています。

朝晩はすっかり秋の空気に変わり、だいぶ気持ちの良い季節になりました。
この時期になるとあちらこちらでヒガンバナの花を見かけます。
樹木を仮植した畑にもいつの間にか咲いていました。
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この花を見ると夏が終わったと実感します。

田んぼのあぜ道にもたくさん咲いていますが、それには理由があって、球根に毒があるヒガンバナをあぜ道に植えることで、モグラや野ネズミがあぜ道に穴をあけるのを防いだいり、根が強いのであぜ道が崩れるのを防いだりしています。

いつも花をつけるときには全く葉っぱがないヒガンバナですが実は葉はあります。
この時期に咲く花が赤くあまりにも艶やかなので、そのあとを気にしないのですが、10月になると細い葉が生えてきます。
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この葉は冬中はありますが、春になると枯れてしまうという変わった性質をもっています。
冬になると枯れて春になると芽が出る多年草は沢山ありますが、その逆というのはあまり知りません。

これにも理由があります。
ヒガンバナも植物なので光合成で養分を作ります。ただ、背が低いヒガンバナは春から夏にかけてほかの背の高い草木に邪魔をされて十分な光合成ができません。秋から冬は周りの背の高い草も枯れ、樹木も葉を落とすのでヒガンバナは太陽の光を独り占めできます。冬に十分に栄養を球根に蓄えて、春、他の植物が大きくなるころには枯れてしまいこの時期を地中でじっと待つ。こんな他の植物とはずれたサイクルでうまく生きているのです。

その場所から動けない植物だからこその知恵ですが、いつ頃そんなことに気が付いたのか、改めてその仕組みの妙に関心させられます。

彼岸花の別名は「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」
何とも難しい名前ですがサンスクリット語で「天界に咲く花」という意味で、吉兆の時に花が天から降ってくるという仏教の経典から来ているとのこと。

秋から冬がシーズンのこの花にとって、終わりを感じさせる「彼岸花」というよりも、吉凶の始まりを意味する「曼珠沙華」の方がこの花の呼び名には合っているのかもしれませんね。