山と街をつなげる庭づくり、fanlandscape。

ブログ「やまんちゅのよもやま話」

2017.08.09

植物と毛虫と鳥

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先日お客様より、また「チャドクガの毛虫」がいる!
とのご連絡がありました。「また」というのはついこの間、ツバキにチャドクガが大量発生した、という経緯があり、毛虫にひどく敏感になっていました。
このチャドクガは毒があり刺されると発疹がでてとてもかゆくなるという厄介者です。

今回の毛虫ははコナラに発生しているとのこと。樹木の葉っぱが茶色に変色してしまっています。
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送られた写真を見ると、幸いチャドクガではありませんでしたがよく似ています。
こんな毛虫ですが、風にあおられてデッキに落ちてくる様です。
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これはアメリカシロヒトリという蛾の幼虫で名前のとおり外来種です。
見た目と違って毒はありません。
成虫はこんな蛾です。

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よく見る蛾ですね。
毛虫は食欲大せいで葉っぱがものの見事に葉脈だけになってしまいます。

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もはや芸術品の域ですが、木の葉っぱがどんどんなくなってしまい、放ってはおけないので本日殺虫剤を持って駆除に向かいました。
さぞウジャウジャいるだろうと覚悟していましたが数匹しか居ません!
どこかに隠れているだろうと葉の裏も探しましたが、やはり居ない?
居ないにこしたことはありませんが、こんな葉っぱが食べられているのにおかしい、こんなに早く成虫になってしまう訳はないので、何かほかのことが・・・
と細かく葉っぱを見ているとこんなものが。

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ちぎれた毛虫の残骸。いたるところにありました。
これは恐らく鳥に食べられた跡だと思われます。
今回は大きめの殺虫剤を持ってきましたが、ほとんど使わず終わってしまいました。

このコナラまだ植えて年数が経過していないので、葉と葉の間は隙間があり、鳥たちが簡単に毛虫を見つけられたのだと思います。

実は会社の柿の木にも同じ毛虫が発生しており、こちらはひどい有様です。
会社の柿の木は葉が生い茂り、鳥も見つけにくい状態だったのがこの差になったかもしれません。

山に自然に生えている樹木たちはあまり生い茂る事はありません。樹木通しがせめぎ合う中で自然と葉っぱを透かした状態になっています。
これを庭で再現するために「すかし剪定」と言う剪定方法を行います。これは見た目を良くする為だけだと思っていましたが、こんな効果もあるのだと感心させられました。

毛虫などの害虫が発生したらすぐ「殺虫剤」という考えになってしまいますが、自然のサイクルに任せるのも一つの手だと感じます。